AKICHI RECORDS PRESENTS
Spacewatch
浅野達彦/スペースウォッチ



guitar riffは折り重なり星雲が頭の中で映射する
暗闇と光の為に作られた唯一のサウンドトラック



勘所がいい!技術がある人ほど、紋切り型のフェティッシュ表現に陥りやすいものですが、そこをさらりと回避出来 ているのは、やはり、才能としか言い様がありません。--- ハラカミレイ

浅野自身は寡黙な男だけど、彼のギターは言語を超えて響くんだよね! --- 奈良美智

フラッと散歩する時や車の中でよく聞いていた「Genny Haniver」。目にする風景や風に音がとけこんでスゴく気持ちよかった からです。 待ちに待った新作「spacewatch」はそれプラス何か「熱いもの」を感じました。唯一無二な浅野さんの音や存在から僕は「活」 をもらっています。 --- 森 俊二(natural calamity / gabby&lopez)

スタイルとは、創造説とも進化論とも異なるもう一つの宇宙だ。浅野さんの新しいアルバムは、真に浅野さんのスタイルに基 づいている。 他の誰のでもない浅野さんの宇宙。厳しさと同時に、しかし誰もがその宇宙を共有できるような、ある種の愛に満ちている。心 から尊敬しています。--- 阿部海太郎




Spacewatchのこと

前作を出したのが2001年、もう7年も経ってる。。待っていて下さった方、どうもありがとう!お待たせして本当にごめんなさい! 今作はここ何年かの自分の心境の変化みたいなものが底流にあるかなと思う。身の回りのことや年齢的なこととか色々、そういうものの映し鏡の様な気もします。 そんなことも含めて現実の反対側を見ている様なタイトルにした。 前作では生楽器と打ち込み度をブレンドしてる気持ちだったけど、今回はもう少し生楽器度を強めたかった。エレキギターをガキンって弾きたい気持ちもあった。ある程度出来た音に合わせてダイタロウさんにドラムを叩いてもらって、 そこから更に新しく曲を作ったりしました。ドラムの録音はお仕事で知り合ったギタリストのフジモトさん。レコーダーやマイクも貸してもらい段取りも素晴らしく助かりました。ありがとうございました!「浅野さんの音に合いそう」というダイさんのアイデアで録音はスタジオ分家の狭い方の部屋。 ドラムの録音以外の制作作業は自宅部屋で。

--制作のこと--

specter

前作の、genny haniverというアルバムを作っていて完成しなかった曲。 スパイ的な、マカロニ的なギターの上を白い火の玉がヒュンヒュンと飛んでいる感じ。でも火の玉イメージはけっこういつもあったりする。曲として中々まとまらず、なんだかんだで数年いじってた。 2003年の“Book of Days”というオムニバスに曲を依頼された時、これを完成させてみようと思ったのだけど、どうしてもしっくり来ず、その時は別の音をメインにした曲にして提出した。 その後も別の曲として完成させようと思ってゴチャゴチャとやってて苦しかったけど、ある日レスポールを借りていじっているうちにまとまって行った。 ただ曲中に2回出て来る中間のセクションは、自分でも呆れる程何度もやり直した。 なんとなく、いつもはメロディを強調しようと思うところだけど、なぜかそれが暑苦しく感じて、アルペジオだったりコードを弾くだけだったりという方向になった。他の曲もそういう所が強いかもしれない。


night light

なんとなく思いついたギターのリフに、ダイさんが叩いたドラムをサンプリングして曲に合わせて強引にあてはめた。ドラムはだから打ち込みに近いかも。 困ったらE-BOWを使うクセがついてしまっているのかもしれない。。


highway and byways

もともとライブでやろうと思って何年か前に作った曲。それを元にして作り直した。ギターをダビングして行く度にどんどん形になった。 製作中の仮タイトルは“変拍子”というひねりの無さだったけど、最終的にクレーの絵のタイトルから勝手に引用してしまった。。


vermilion

ヴィブラフォンの音で作ったループに合わせて延々ギターを弾いてカセットテープに録った。それがまわりで評判良かった(気がする)のでそれをまとめた。 カセットのノイズがひどくてほとんど同じフレーズを弾き直したけどかなり違うものになった。冒頭のトリルっぽいギターだけは再現出来ず、ノイズを極力抑えてそのまま使った。 ノミの市で買った鉄弦のアコギをソロ部分に使った。ボロボロで普通に弦を貼ると折れそうなので、適当なチューニングにして、弦高も1.5cmくらい浮き上がってるのでほぼスライドバー専用に。 E-BOWが使えたけど音量が小さくて録音には気を使いました。


hanging scroll

これもヴィブラフォンの音で作ったフレーズを元に色々とダビングした。以前はヴィブラフォンの音色ばっかり使ってたけど最近はかなり減って来ました。ひな人形やひなあられ。 おひな様で見かける菱形の物体(ひし餅っていうみたいですね)や床の間などの日本的なイメージがなぜか頭にありました。だから何?という間もなく塗り絵の様に出来た(?)。


deep sea fish

冒頭のコード進行はどうやったのか自分でも思い出せない。 1曲目のspecterを作っててその時出来たものだったか。元々ドラムは無かったけど、最終的に自分で叩いたドラムを編集して作った。 所々に聞こえる音はエレキギターのフレーズをタイムストレッチした音。。一番最後に出来た曲。


midnight movies

8曲目のNebularを作ってて出来た。元々Nebularの後半にくっついた曲だった。乗り切れていないベースは自分弾き。次はやっぱり誰かにお願いしよう。


nebular

これも一曲目のspecterを作ってて出来た曲。ダイさんのドラムの用心棒のサントラの様なイメージを生かしたい、と思いつつ中々まとまらなかけど、 制作終盤にAKICHI RECORDS山崎氏より貸して頂いたFender Rhordesのおかげでまとまっていった(と思う)。感謝!運ぶのが大変だった。山崎さん、ルイくん置田くんありがとう! メインの音はエレピのフレーズをピッチシフトしたもの。妖怪人間ベムっぽい、どろろんとした音や七人の侍っぽい音に憧れた。


bright time

'96年に発売された“Daisy World Tour”というコンピレーションに収録されてる“Pirouette”て曲の元になってたバージョンをアレンジし直した。 ライブでもやったりしてたけど、中々ライブっぽいあやふやさが出なくて色々編集した。やっぱり今回はメロディなんかを固めるのではなく、何か抽象的にしたい気持ちがあったんだなと思う。


magneto

サンプリングした無線の声の音を使って作った。'06年に金沢21世紀美術館でやったライブ用に作っていて形になった。ableton liveというソフトウェアをけっこう使いました。


Old Television

20代前半の頃に作った曲。カセットMTRを生まれて初めて買ってその勢いで作った。当時やっていたバンドでやるつもりで、歌が乗ることを前提に作ったまま結局使うこともなく埋もれてた。 身内の評判が良かったので取りあげてみた。「歌無くて良いのかな?」と度々自問自答した。リズムギターは当時録音したカセットテープの音をそのまま使ってその上にソロをかぶせた。 ベースもオリジナルを使いたかったけどピッチが合わなくて改めて同じラインで弾き直した。 録り直したベースは弾き直していく度にどんどん骨太な方へ行き、途中で我に返ってナイロン弦にして素直な感じに戻した。 サザエさんのベースもちょっと意識。今の自分の立ち位置で昔作った曲をまとめてみようなんて思ったけど、当初の青臭い感じには及ばなかった。 タイトルは当時よく聴いてたテレヴィジョンへの敬意と古い曲ということもあって。曲調も何となくテレビジョンぽい気がする。。


butterfly

一曲目のspecterから出来た曲。8曲目のnebularって曲とくっついてたのを分離した。とっても長くてグチャグチャなところから数小節ずつ切り取って編集した。 とても煮詰まったけど浄化して花びらが浮かんでいるところを想っていたらまとまった様な気もする。最近よくアゲハ蝶見る。